ルソー幼児教育

子どもは子どもでなければならない

スイスのジュネーブで生まれ、主にフランスで活躍した啓蒙思想家のルソーは、教育改革論「エミール」などを著したことで有名です。
18世紀ごろの社会では、「子どもの存在」が認識されておらず、幼児期を脱した7歳頃には、社会的には大人とみなされていました。
そんな中でルソーは、「子どもの発見」と言われる主張をしています。

  • 子どもは小さな大人ではなく、子どもは子どもでなければならない。
  • 子どもには子ども特有の感覚や見方、考え方がある。
  • 子どもの心身の発達には過程があり、各時期に適した教育を行うべきである。
  • 幼児期に「自己愛」が健全に育まれることで、成長とともに生まれる欲望が必要以上に増大することや利己心に変質することを防ぐ。

これまでの子どもの人間性を無視した古い教育観に対して、子どもの独自的存在を認めること、子どもを子どもとして扱うことを提唱しました。

消極的な教育

ルソーは著書「エミール」のなかで、幼児期における教育は消極的であるべきだと述べており、これがルソーの教育理念だと言われています。

幼児期に知識や理屈、道徳などを教え込もうとしても理解できなかったり、得た知識などを誤って使う恐れがあるとし、子どもが自ら経験し刺激を受け、そこから得た教訓が子どもを人間的に成長させるという考えです。
従って大人は子どもに対し、早期教育を行うのではなく、子どもの自発性を重要視することが幼児期の教育だといいます。

この思想の背景には、
万物の製作者の手を離れる時には「善いもの」であるのに、人間の手に渡ると全てが「悪いもの」になる
ということから、
子どもは生まれた時は「善」であるのに、成長と共に社会からの干渉を受けることにより「悪」となってしまう
というルソーの考えがあります。

ですから、よい教育とは子どもの中にある「善」を自然に発展させるために、悪い影響を及ぼす社会から守ることが重要であるとも述べています。